​Exhibitions|2020
 
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青の遊
​Playing in the sea
​Paintings, 2020
​Group Exhibition
東京藝術大学大学院美術研究科  博士審査展

Tokyo University of the Art Doctoral Program Final Exhibition

12/10 (Thu) - 12/20 (Sun),  2020
Ueno, Tokyo
​HP :  http://dr-exhibition.geidai.ac.jp/2020/
 
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土地を巡る断片的な記憶が、脳内を駆け巡り、揺らぐ波間に浮遊する。海に囲まれた土地の開放的な空、陸地からはてなく広がる水平線。

"青"は、この土地で暮らす人々にとって、移りゆく自然や営為を象徴する色彩であり、身体を包み込む、風景と一体化した根源的な色彩である。

博士提出作品「青の遊泳」は、2019年5月に初めて訪れた石鏡町(三重県鳥羽市)、海女の暮らす小さな漁村をテーマに制作した作品である。鳥羽の土地に住まう人々の大半は、漁業や観光、飲食業によって生計を立てて暮らしている。なかでも、伊勢志摩を中心に古くからこの土地に引き継がれている海女業は、神奈川の内陸部で生まれ育った私にとっては聞き慣れない、未知なる職業のひとつだった。

海の豊かさや厳しさに向き合いながら、自然と共に生きる海女。見知らぬ土地からやってきた私のような外部者を、幾らか警戒しながらも、対話を続ける内に打ち解け、海女の生業や彼女たちの目にしてきた風景、その断片的な記憶を語り聞かせてくれた。紡がれる言葉はこぼれ落ちるように、私の知らない海面下の世界へと想像力を誘った。

2019年から足を運ぶようになった石鏡町も、加速する高齢化によって、後継者不足が危機的状況の真っ只中にあった。仮に、土地に何かを残す者と、引き継ぐ者が居るとするならば、夢中になって手探りをしながら土地を訪ね歩く余所者が果たせる役割とは、どのようなものだろうか。

「今、ここ」にある、彼女たちの生きた声と街並みを拾いあげ、記憶と経験の交錯する風景を、表現として顕在化することを試みた。

( 稲垣 美侑 /  論文「所在の輪郭  -包まれる風景へ」2020年 / p43,44より一部抜粋 )

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